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法改正情報03

平成20年度の最低賃金の目安、ほぼ固まる!法改正情報03:平成20年8月27日発信

社会のセーフティーネット(安全網)の強化  

1.平成20年7月1日改正の最低賃金法で、最低賃金は社会のセーフティーネットの役割と位置づけられたことを踏まえ、中央最低賃金審議会は本年度の引き上げ幅の目安を7円〜15円とする旨の答申をしました。

2.引き上げ幅は昨年に続き、大幅なものとなる見込みですが、その背景には、正社員並みに働いても生活が困難なワーキングプアや、いわゆるネットカフェ難民などの労働市場における格差の拡大があるようです。

3.今後、この目安をもとに都道府県最低賃金審議会で地域性その他を勘案して最終決定者である都道府県労働局長に建議し、正式な決定施行は10月頃になると思います。

都道府県ごとの引き上げ目安額  

ランク都道府県金額
A東京、千葉、神奈川、愛知、大阪15円
B栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島11円
C北海道、宮城、福島、茨城、群馬、石川、福井、山梨、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡10円
D青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄7円

生活保護水準との整合性に配慮  

1.改正最低賃金法では、さらに生活保護水準との乖離をなくするよう配慮を求めているが、これを踏まえて中央最低賃金審議会では、特に生活保護水準より低い12都道府県については原則2〜3年で解消するよう求めている。

2.例えば、私の住む北海道では過日、北海道地方最低賃金審議会を開催し、中央の示した上表の目安額「10円」よりも更に3円高い「13円」の引き上げ額の目安を決めて北海道労働局に答申しました。

3.この引き上げ額は過去最高のものとなりましたが、一方、生活保護水準との乖離解消は原則2,3年から「5年以内解消」との決着を示しました。

4.この結果、10月に施行される北海道の最低賃金は「667円」となります。
私の知っている札幌に本社のある中堅書店は、各店舗に多くのアルバイト等を抱えておりますが、この最低賃金の引き上げには、ほとほと困っておられます。もし、700円にでもなれば、経営破綻になると真剣に悩んでおりました。今日のような不況時の物価高、いわゆるスタグフレーション現象ともいうべき時代は、労働者保護も大事ですが、中小企業の経営者に対する手当も必要なのではないでしょうか。こういう時にこそ、政治の力を発揮すべきと考えるのは私だけでしょうか・・・。

5.また、正社員で月給制を採っている企業でも、例えば、高卒の初任給が時給換算で最低賃金をクリヤーしているかどうか、検証してみる必要があるかも知れません。当ホームページの「過去の法改正情報」にその検証の方法を記載してありますので、参考にしてください。

生活保護と乖離のあった都道府県  

都道府県06年度乖離額07年度引上額乖離額残
北海道63円10円53円
青森20円9円11円
宮城31円11円20円
秋田17円8円9円
埼玉56円15円41円
千葉35円19円16円
東京100円20円80円
神奈川108円19円89円
京都47円14円33円
大阪53円19円34円
兵庫36円14円22円
広島37円15円22円

1.例えば北海道の場合、本年度13円の引き上げがなされると、乖離額残はあと40円となり、これを残り4年間で解消するとすれば、1年間に10円ずつの引き上げとなります。本年10月からの最低賃金が「667円」ですから、3年後の平成23年度には単純計算で697円とほぼ700円となります。

2.ただし、上表の数値は、都道府県内の平均値ての比較です。労働者代表側は、各都道府県内の県庁所在地のそれと比較すべきだと主張しており、そうなると、まだ大半の都道府県で生活保護より低い実態にあるといわれております。これでは働く意欲を失うと、強く反対する声も多くあるようです。

3.しかも、障害者雇用促進法の改正があれば、平成22年度から100人以上の常用労働者(パートタイマー、契約社員等を含む)を使用する事業主に一般企業の1.8%障害者雇用が義務化されます(現在は、300名以上の企業に義務化されている)。
これらを考えますと、ますます事業経営は厳しく、苦しいものになるのは目に見えております。労務管理体制を見直し、経費節減、売上増加をどうするか、経営者にとっては大変な経営環境になるように思います。

高卒初任給の水準に引き上げるべきとの提言  

1.最低賃金審議会とは別で、政府、労働者、経営者の3者で構成する「成長力底上げ戦略推進円卓会議」では、本年6月に、5年を目安に最低賃金を「小規模事業所の高卒初任給」の水準に引き上げる方針が示されました。

2.経営者側としては、原油高などによる企業収益の圧迫や、景気の先行き不安等から「人件費増加は企業の存続に関わる」として大幅な引き上げには反対しております。特に、中小零細企業は、雇用するからには最低賃金以上の賃金を支払うことは社会的責任でもあるとは思いますが、今日の原油高は決して必然的なものではなく、「投機」によるものだとの指摘もあります。1バレル3〜4ドルが原価で通常4〜50ドルで大変な利益を生むといわれる原油が、1バレル150ドルなど法外な金額であり異常といわざるを得ません。
こういう時にこそ、再度、政治力が必要と思いますがいかがでしょうか。

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