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法改正情報05

法改正情報05

改正職業安定法施行規則、09.1.19施行
採用内定取消対策強化!

  • 昨年来の雇用環境の悪化により、新卒者に対する採用内定取消が大きな社会問題となりました。この問題に対処するため、2009年1月19日付で改正職業安定法施行規則が公布・施行されました。
  • 現実に採用内定取消はどのくらい発生しているのか。厚生労働省が平成21年1月23日現在でまとめた結果は次のようになっています。

    *全国集計

    - 高校卒予定者の取消:77事業所、206名

    - 大学・短大・専修学卒予定者の取消:244事業所、1009名

    *主な産業別取消状況

    - 建設業:22事業所、112名

    - 製造業:88事業所、274名

    - 卸売・小売業:29事業所、103名

    - 不動産業:32事業所、282名

    - サービス業:52事業所、218名  

以下に改正法の内容についてご紹介します。  

ハローワークによる内定取消事案の一元的把握  

ハローワークにおける一元的把握と迅速な対応を図るため、新規学校卒業者の採用内定取消を行おうとする事業主は、あらかじめハローワークおよび学校長に通知することが必要となります。

*現行規定は、ハローワークまたは学校長に通知するものとされているため、例えば学校長が通知を受けた場合には、その学校長がハローワークに通知するものとされていました。

*学校長とは、職業安定法第27条に基づきハローワークの業務の一部を分担する学校長、または同法第33条の2に基づき無料の職業紹介事業を行う学校等の長のことを指します。

事業主がハローワーク等に通知すべき事項の明確化  

新規学校卒業者の採用内定取消を行おうとする事業主は、厚生労働省職業安定局長が定める様式により、ハローワークおよび学校長に通知することが必要となります。

*所定の様式には、内定取消者数、内定取消を行わなければならない理由、内定取消の回避のために検討された事項、対象学生等への説明状況、対象学生等に対する支援の内容等について記載する必要があります。

*現行規定では、通知する際の様式の定めはありませんでした。

採用内定取消を行った企業名の公表  

厚生労働大臣は、内定取消の内容が、厚生労働大臣が定める場合に該当するときは、学生生徒等の適切な職業選択に資するよう、学生生徒等に情報提供するため、その内容を公表することができるものとする。ハローワークは、管轄区域にある学校に、公表された情報を提供するものとする。

厚生労働大臣が定める場合

内定取消の内容が次のいずれかに該当する場合。ただし、倒産により翌年度の新規学校卒業者の募集・採用が行われないことが確実な場合を除く。

  • 2年度以上連続して行われたもの。
  • 同一年度内において10名以上の者に対して行われたもの。

    *内定取消の対象となった新規学校卒業者の安定した雇用を確保するための措置を講じ、これらの者の安定した雇用を速やかに確保した場合を除く。

  • 生産量その他事業活動を示す最近の指標、雇用者数その他雇用量を示す最近の指標等にかんがみ、事業活動の縮小を余儀なくされているものとは明らかに認められないときに、行われたもの。
  • 次のいずれかに該当する事実が確認されたもの。

    *内定取消の対象となった新規学校卒業者に対して、内定取消を行わざるを得ない理由について十分な説明を行わなかったとき。

    *内定取消の対象となった新規学校卒業者の就職先の確保に向けた支援を行わなかったとき。

その他  

  • 内定取消を行った企業名の公表については、施行日以後に就業開始を予定していた新規学校卒業者に係る内定取消について適用する。
  • ただし、施行日前の内定取消事案については、内定取消の撤回、その他これに準ずる措置を講じ、施行日以後に公表要件に該当しなくなったとき、または内定取消の対象となった新規学校卒業者の安定した雇用が確保されたときは、適用しない。
  • 本来、採用内定の法的位置づけは、会社が新規学校卒業者に対して○月○日から採用する旨の通知を行い、それに対して内定者が誓約書等を提出した時点で労働契約が成立するとされています。これを始期付解約権留保付労働契約の成立といいます。
  • 従って、経営悪化による内定取消は一般従業員の指名解雇とほぼ同様と解されており、これが有効とされるのは、経営悪化が新規採用を不可能ないし非常に困難であるとするような事情があり、かつ、この経営悪化が内定当時予測できないものであった場合に限られると解されております。
  • 今回の施行規則改正と併せて、「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」についても改正されました。そのなかで追加された部分には次のように示されております。

    - 採用内定について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定取消は無効とされることに十分留意し、採用内定取消を防止するため、最大限の経営努力を行う等、あらゆる手段を講ずること。

  • 判例法理を条文化したとされる労働契約法第16条にも同様の規定が置かれております。特に、初めて社会人となって自らの労働で給与をもらう雇用について、新卒者の皆さんは、緊張と不安と喜びがないまぜになった心境であり、期待感もかなりあるものと思います。それをいまだ働いてもいない段階で取り消されることは人道上からも許せないものと思います。故に、決して安易な内定取消を行うことがないように切望したいと思います。

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