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法改正情報31


改正マイナンバー法の概要
まだマイナンバーの運用が開始されていないのに、もう改正???
平成28年4月1日施行

[ 改正の大綱 ]
1.預貯金口座へのマイナンバーの付番

  • 預金保険機構等によるペイオフのための預貯金額の合算において、マイナンバーの利用を可能とする。
  • 金融機関に対する社会保障制度における資力調査や税務調査でマイナンバーが付された預金情報を効率的に利用できるようにする。

2.医療等分野における利用範囲の拡充等

  • 健康保険組合等が行う被保険者の特定健康診査情報の管理等に、マイナンバーの利用を可能とする。
  • 予防接種履歴について、地方公共団体間での情報提供ネットワークシステムを利用した情報連携を可能とする。

3.地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充等

  • すでにマイナンバー利用事務とされている公営住宅(低所得者向け)の管理に加えて、特定優良賃貸住宅(中所得者向け)の管理において、マイナンバーの利用を可能とする。
  • 地方公共団体が条例により独自にマイナンバーを利用する場合においても、情報提供ネットワークシステムを利用した情報連携を可能とする。
  • 地方公共団体の要望等を踏まえ、雇用、障害者福祉等の分野において利用事務、情報連携の追加を行う。

4.日本年金機構情報漏えい事件によるマイナンバー法の改正

5.個人情報保護法との関係

預貯金口座へのマイナンバーの付番の背景等  

  • 今回の改正の伏線として、2014年春、全国紙に「2016年通常国会に関連法の改正案を提出、2018年度から新規開設口座にマイナンバーを付番」との記事が掲載された。これは、かつて30年以上前に政府が預金者の口座に番号を付けるグリーンカード制度を導入しようとしたが失敗した。そのため、口座に番号を付けることに対して世論はどのような反応を示すかをうかがうために記事を掲載した。
  • この背景には、我が国の切羽詰った財政事情と社会保障費の問題がある。
    • 国の借金(国及び地方の長期債務残高)は、2014年度末で1,000兆円を突破しており、GDPの2倍を超えるまでになっていること。
    • 戦後の人口膨張と高度経済成長の恩恵を受けていた昭和30年代に構築された国民皆保険・国民皆年金制度は、その維持が限界にきており、社会保障給付費は100兆円を超えるという状況になっていること。
  • このような事情を踏まえ、政府税制調査会では、次のような見解を示しています。
    • 申告納税制度のもとでは、全ての納税者がその所得等を正しく申告することが税制への信頼を維持するために不可欠である。また、社会保障制度においても、国民一人ひとりが能力に応じて公平に負担を分かち合うとともに、真に助けが必要な者が給付を受けられるようにすることが重要である。したがって、いずれの制度においても、所得や資産等の負担能力を正確に把握し、制度を適正に運用する観点からマイナンバーの活用を進めるべきである。さらに、所得・資産等の正確な把握が可能となれば、制度自体をより公平・公正なものにしていくことも可能となる。(マイナンバーディスカッション資料2014.4.8)
  • また、社会保障制度改革国民会議報告書(2013年8月)にも次のように述べています。
    • 21世紀型日本モデルの社会保障では、主として高齢者世代を給付の対象とする社会保障から、切れ目なく全世代を対象とする社会保障への転換を目指すべきである。その際、全世代型の社会保障への転換は
      世代間の財源の取り合いをするのではなく、それぞれ必要な財源を確保することによって達成を図っていく必要がある。また、世代間の公平だけではなく、世代内の公平も重要であり、特に他の年代と比較して格差の大きい高齢者については、一律、横並びに対応するのではなく、負担能力に応じて社会保障財源に貢献してもらうことが必要である。このような観点から、これまでの『年齢別』から『負担能力別』に負担の在り方を切り替え、社会保障・税番号制度も活用し、資産を含め負担能力に応じて負担する仕組みとしていくべきである。
  • つまり、働いている世代だけに負担してもらう、又は所得だけを捉えて負担してもらうことには限界がきており、資産も含めて負担能力のある人に負担をしてもらう方向に変えていかなくてはならないということを示しています。
    現実に介護保険制度が改正され、2015年8月から「資産」を勘案した制度が施行されている。具体的には、特定入所者介護(予防)サービス費の支給に当たっての勘案要素として「資産」が追加され、多くの預貯金等を持っている方は支給が受けられなくなりました。ここに「預貯金等」とは、預貯金、有価証券、金・銀などで、タンス預金(自己申告だが)も含まれています。
    そして、預貯金等が、単身の場合は1,000万円以下、夫婦の場合は2,000万円以下でないと支給が受けられなくなったのです。
  • 預貯金口座へのマイナンバー付番について、その目的を上記の大綱において示しましたが、具体的にはマイナンバー法別表第一に預金保険機構と農水産業協同組合貯金保険機構が個人番号利用事務実施者と
    して新たに追加されています。
55の2 預金保険機構預金保険法(昭和46年法律第34号)による預金等に係る債権の額の把握に関する事務であって主務省令で定めるもの
56の2 農水産業協同組合貯金保険機構農水産業協同組合貯金保険法(昭和48年法律第53号)による貯金等に係る債権の額の把握に関する事務であって主務省令で定めるもの
  • また、同時に住民基本台帳法も改正され、同法の別表第一に下記の内容が追加され、預金保険機構と農水産業協同組合貯金保険機構は住基ネットも使えるようになりました。
13 預金保険機構預金保険法(昭和46年法律第34号)による同法第55条の2第1項の預金等に係る債権の額の把握に関する事務であって総務省令で定めるもの
14 農水産業協同組合貯金保険機構農水産業協同組合貯金保険法(昭和48年法律第53号)による同法第57条の2第1項の貯金等に係る債権の額の把握に関する事務であって総務省令で定めるもの
  • 金融機関については、地方税法と国税通則法にそれぞれ「預貯金者糖情報の管理」の条文が新設され、預貯金の口座にマイナンバー又は法人番号を付けて検索できるようにしなければならなくなりました。

[ 地方税法 ]

(預貯金者等情報の管理)
第20条の11の2 金融機関等は、政令で定めるところにより、預貯金者等情報(預貯金者等の氏名及び住所又は居所その他預貯金等の内容に関する事項であって総務省令で定めるものをいう。)を当該預貯金者等の個人番号(法人の場合は、法人番号)により検索することができる状態で管理しなければならない。

[ 国税通則法 ]

(預貯金者等情報の管理)
第74条の13の2 金融機関等は、政令で定めるところにより、預貯金者等情報(預貯金者等の氏名(法人については、名称)及び住所又は居所その他預貯金等の内容に関する事項であって財務省令で定めるものをいう。)を当該預貯金者等の番号(個人番号又は法人番号)により検索することができる状態で管理しなければならない。

  • 実際の付番は、2018年以降、新規開設の口座からということになり、当面は義務化されません。したがって銀行の窓口でマイナンバーの提供を求められても、提供を拒否することができます。
    なぜ、すぐに義務化できないのかについては、金融機関に対応できる準備をしてもらいたいと考えることができます。マイナンバーを付けるだけとはいえ、金融機関のデータベースは膨大なため、ある程度の準備期間が必要です。つまり、法改正により強制付番となった際には、すぐに実行できるよう環境を整備しておく主旨と推測されます。
  • 資産を全て把握されてしまうことに国民の抵抗感もありますが、資産をマイナンバーで把握できることで、次のメリットも考えられます。
    • 相続漏れがなくなること。
    • 激甚災害時にはマイナンバーで口座から金銭を引き出すことができること。
    • マイナンバーで休眠口座が把握できれば、国として膨大な休眠口座の資産をベンチャー支援等の投資に使えること。

医療等分野における利用範囲の拡充等  

  • 予防接種の記録をマイナンバーで管理して自治体間で連携できるようにし、引越しなどで他の市町村に移動しても情報を引き継ぐことができる仕組みです。
  • 特定健康診査、いわゆるメタボ健診情報についてもマイナンバーで管理することで、例えば転職などで医療保険者が変わっても健康診査情報の引継ぎができるようになります。
  • マイナンバー法別表第一が以下のように改正(太字部分)され、保健事業でもマイナンバーを利用できることが明記された。しかし、医療等分野が拡充されたといっても、^綮佞直接、予防接種や特定健診の情報を使えない、▲ルテや処方箋にマイナンバーが使うことはできない。つまり、医療分野は機微な情報を扱うという理由から特別な立法措置が求められており、マイナンバー法とは別の法制化が必要となっているからです。
2 全国健康保険協会又は健康保険組合健康保険法による保険給付の支給、保健事業若しくは福祉事業の実施又は保険料等の徴収に関する事務であって主務省令で定めるもの
4 全国健康保険協会船員保険法による保険給付、障害前払一時金若しくは遺族前払一時金の支給、保健事業若しくは福祉事業の実施若しくは保険料等の徴収又は雇用保険法等の一部を改正する法律・・(以下省略)
30 市町村長又は国民健康保険組合国民健康保険法(昭和33年法律第192号)による保険給付の支給、保険料の徴収又は保健事業の実施に関する事務であって主務省令で定めるもの
59 市町村長又は高齢者の医療の確保に関する法律第48条に規定する後期高齢者医療広域連合高齢者の医療の確保に関する法律による後期高齢者医療給付の支給、保険料の徴収又は保健事業の実施に関する事務であって主務省令で定めるもの
  • 日本再興戦略では、農林水産業や観光産業とともに、医療・介護を基幹産業化していくと表明しており、2020年までの5か年間を「集中取組期間」として、医療等分野におけるICT化を徹底的に推進することが計画されている。
  • 医療情報を共有・活用することによって、仝〆困簗瑤僚菠などの無駄な重複が防止される、△修侶覯漫国民負担が軽減される、0緡転霾鵑鯑震床修靴謄咼奪哀如璽燭箸靴導萢僂垢襪海箸如医療・介護
    だけでなく健康・予防関連サービスも活性化する、等の期待がされている。
  • 医療等分野における番号制度の導入については「セキュリティの徹底的な確保を図りつつ、マイナンバ−制度のインフラを活用し、医療等分野における番号制度を導入する」と記載され、「2018年から段階的運用開始、2020年までに本格運用」と明記された。

地方公共団体の要望を踏まえた利用範囲の拡充等  

  • 特定優良賃貸住宅の管理 従来、低所得者向け公営住宅の管理についてはマイナンバーの利用ができましたが、それに加えて中所得者向けの特定優良賃貸住宅の管理においても、マイナンバーの利用がで
    きることとなった。マイナンバー法別表第一に、次の文言が追加されています。
61の2 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(平成5年法律第52号)第18条第2項に規定する賃貸住宅の建設及び管理を行う都道府県知事特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律による賃貸住宅の管理に関する事務であって主務省令で定めるもの
  • 条例による独自利用における情報提供ネットワークシステムの利用自治体は、マイナンバー法により条例を制定することで、独自にマイナンバーを利用することができます。
    こうした独自利用で情報提供ネットワークシステムを利用する場合、従来は、特定個人情報保護委員会への申請と許可が必要となっていましたが、法改正により情報提供ネットワークシステムを利用した情報連携が可能となりました。

    マイナンバー法第2条第14項において下記の下線部分が追加され、条例事務関係情報照会者と条例事務関係情報提供者という概念が新たに登場し、定義されています。

14 この法律において「情報提供ネットワークシステム」とは、行政機関の長等(行政機関の長、地方公共団体の機関、独立行政法人等、地方独立行政法人及び地方公共団体情報システム機構並びに第19条第7号に規定する情報照会者及び情報提供者並びに同条第8号に規定する条例事務関係情報照会者及び条例事務関係情報提供者)の使用に係る電子計算機を相互に電気通信回線で接続した電子情報処理組織であって、暗号その他その内容を容易に復元することができない通信の方法を用いて行われる第19条第7号又は第8号の規定による特定個人情報の提供を管理するために、第21条第1項の規定に基づき総務大臣が設置し、及び管理するものをいう。

  • そして、条例事務関係情報照会者と条例事務関係情報提供者については、マイナンバー法第19条第8号(新設)で次のように規定されています。

八 条例事務関係情報照会者(第9条第2項の規定に基づき条例で定める事務のうち別表第二の第2欄に掲げる事務に準じて迅速に特定個人情報の提供を受けることによって効率化を図るべきものとして個人情報保護委員会規則で定めるものを処理する地方公共団体の長その他の執行機関であって個人情報保護委員会規則で定めるものをいう。第26条において同じ。)が、政令で定めるところにより、条例事務関係情報提供者(当該事務の内容に応じて個人情報保護委員会規則で定
める個人番号利用事務実施者をいう。以下この号及び同条において同じ。)に対し、当該事務を処理するために必要な同表の第4欄に掲げる特定個人情報であって当該事務の内容に応じて個人情報保護委員会規則で定めるもの(条例事務関係情報提供者の保有する特定個人情報ファイルに記録されたものに限る。)の提供を求めた場合において、当該条例事務関係情報提供者が情報提供ネットワークシステムを使用して当該特定個人情報を提供するとき。

  • さらに、マイナンバー法第26条(新設)において、第19上第8号の規定による特定個人情報の提供について、次のように定められています。

(第19条第8号の規定による特定個人情報の提供)
第26条 第21条(第1項を除く。)から前条までの規定は、第19条第8号の規定による条例事務関係情報照会者による特定個人情報の提供の求め及び条例事務関係情報提供者による特定個人情報の提供について準用する。
この場合において、第21条第2項第1号中「別表第二に掲げる」とあるのは「第19条第8号の個人情報保護委員会規則で定める」と、第22条第1項中「ならない」とあるのは「ならない。ただし、第19条第8号の規定により提供することができる特定個人情報の範囲が条例により限定されている地方公共団体の長その他の執行機関が、個人情報保護委員会規則で定めるところによりあらかじめその旨を委員会に申し出た場合において、当該提供の求めに係る特定個人情報が当該限定された特定個人情報の範囲に含まれないときは、この限りでない」と、同条第2項中「法令」とあるのは「条例」と、第24条中「情報提供等事務(第19条第7号」とあるのは「条例事務関係情報提供等事務(第19条第8号)と、「情報提供等事務に」とあるのは「条例事務関係情報提供等事務に」と、前条中「情報提供等事務」とあるのは「条例事務関係情報提供等事務」と読み替えるものとする。

  • 雇用、障害者福祉等の分野を拡充 最後に、雇用や障害者福祉等の分野において利用の拡大が図られました。雇用関係では、マイナンバー法別表第一に「6の2」が追加され、「92」には太字部分が追加されることになった。
6の2 厚生労働大臣職業安定法(昭和22年法律第141号)による職業紹介又は職業指導に関する事務であって主務省令で定めるもの
92 厚生労働大臣職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(平成23年法律第47号)による職業訓練受講給付金の支給又は就職支援措置の実施に関する事務であって主務省令で定めるもの
  • その他、マイナンバー法別表第一で、全国健康保険協会、健康保険組合、日本私立学校振興・共済財団、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合の各団体において、「福祉事業」の実施が追加されています。
    さらに、国や自治体などの間で情報提供ネットワークシステムを使用して、福祉関係の情報に関して照会することができるように拡充されています。

日本年金機構情報漏えい事件によるマイナンバー法の改正  

  • 2015年5月に100万件以上の情報漏えい事件が勃発し、社会に大きな衝撃を与えたことがきっかけとなり、マイナンバー法が改正されました。
    まず、サイバー攻撃に対処するため、「研修、検査、報告」について、下記の通りマイナンバー法第28条の2から第28条の4までの3条が追加されました。

(研修の実施)
第28条の2 行政機関の長等は、特定個人情報ファイルを保有し、又は保有しようとするときは、特定個人情報ファイルを取り扱う事務に従事する者に対して、政令で定めるところにより、特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要なサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法第2条に規定するサイバーセキュリティをいう。第35条の2において同じ。)の確保に関する事項その他の事項に関する研修を行うものとする。

(委員会による検査等)
第28条の3 特定個人情報ファイルを保有する行政機関、独立行政法人等及び機構は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、定期的に、当該特定個人情報ファイルに記録された特定個人情報の取扱いの状況について委員会による検査を受けるものとする。

2 特定個人情報ファイルを保有する地方公共団体及び地方独立行政法人は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、定期的に、委員会に対して当該特定個人情報ファイルに記録された特定個人情報の取扱いの状況について報告するものとする。

(特定個人情報の漏えい等に関する報告)
第28条の4 個人番号利用事務等実施者は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、特定個人情報ファイルに記録された特定個人情報の漏えいその他の特定個人情報の安全の確保に係る重大な事態が生じたときは、委員会に報告するものとする。

  • 特定個人情報の保護のため、個人情報保護委員会は内閣官房の組織と連携する旨の規定も盛り込まれました。(第35条の2)

(特定個人情報の保護を図るための連携協力)
第35条の2 委員会は、特定個人情報の保護を図るため、サイバーセキュリティの確保に関する事務を処理するために内閣官房に置かれる組織と情報を共有すること等により相互に連携を図りながら協力するものとする。

  • また、日本年金機構に対しては、今回の事件に鑑みて、次の附則に記されているように、マイナンバーの利用時期及び情報提供ネットワークシステムへの接続時間が延期されることになった。

(日本年金機構に係る経過措置)
第3条の2 日本年金機構は、第9条第1項の規定にかかわらず、附則第1条第4号に掲げる規定の施行の日から平成29年5月31日までの間において政令で定める日までの間においては、個人番号を利用して別表第一の下欄に掲げる事務の処理を行うことができない。

2 日本年金機構は、第19条第7号及び第8号の規定にかかわらず、附則第1条第5号に掲げる規定の施行の日から平成29年11月30日までの間において政令で定める日までの間においては、情報照会者及び情報提供者並びに条例事務関係情報提供者に該当しないものとする。

  • 最後に、附則第12条に次の項が追加され、国のサイバーセキュリティ対策がさらに強化されることになりました。

5 政府は、国の行政機関等が保有する個人情報の安全を確保する上でサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法第2条に規定するサイバーセキュリティをいう。)に関する対策の的確な策定及び実施が重要であることに鑑み、国の行政機関等における同法第13条に規定する基準に基づく対策の策定及び実施に係る体制の整備等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

個人情報保護法との関係  

  • 今回のマイナンバー法改正は、個人情報保護法改正とセットで行われました。ここではマイナンバー法と関係の深い部分について解説します。
    まず、マイナンバー法に規定されていた「特定個人情報保護委員会」に関する条項が全て削除されるとともに、個人情報保護法において「第5章 個人情報保護委員会」として規定され、「特定」の文字が消えているように、個人情報保護委員会では特定個人情報だけでなく個人情報一般を扱う組織となりました。そして、次のように旧個人情報保護法第2条第3項第5号が削除ました。
    マイナンバー法では他人のマイナンバーを1つでも扱うと規制の対象となりましたが、旧個人情報保護法では個人情報の保有が5,000件以下である事業者は規制の対象外でした。しかし今回、個人情報保護法が改正されてこの除外規定が削除され、マイナンバー法並みに規制の対象が拡大されました。

(旧個人情報保護法第2条)
第2条 1・2略

3 この法律において「個人情報取扱事業者」とは、個人情報データベース等を事案の用に供している者をいう。ただし、次に掲げる者を除く。
 一〜四 (略)
 五 その取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利 益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者

旧個人情報保護法施行令第2条〜個人情報取扱事業者から除外される者)
法第2条第3項第5号の政令で定める者は、その事業の用に供する個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数(中略)の合計が過去6月以内のいずれの日においても五千を超えないものとする。

  • マイナンバー法では、特定個人情報の「廃棄」という概念があったが、個人情報保護法では廃棄に関する規定がなかったが、今回の改正で義務付けとまではならなかったが、「個人データを遅滞なく消去」する旨が努力義務として規定された。

(データ内容の正確性の確保等)
第19条 個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。

  • 罰則の強化 旧個人情報保護法においても罰則規定はあったのですが、マイナンバー法のように個人番号利用事務等に従事する者の特定個人情報の他人への提供、盗用、情報漏えい等について非常に重い罰則となっているのに対して、旧個人情報保護法では個人情報保護委員会からの命令違反(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)及び委員会の検査等に対し、虚偽の報告や検査拒否等があった場(30万円以下の罰金)だけでした。
    今回の法改正で、マイナンバー法並みに罰則が規定されました。

第83条 個人情報取扱事業者(その者が法人である場合にあっては、その役員、代表者又は管理人)若しくはその従業者又はこれらであった者が、その業務に関して取り扱った個人情報データベース等(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

  • マイナンバー法関連で新たな政令・省令案などが発表されています。主な点は;
    ,茲衢便性の高い個人番号カードの申請・受取方式が準備されたこと。
    個人番号カードの空き領域や券面事項入力補助情報を民間事業者が利用できるようになったこと。
    「事業者における特定個人情報の漏えい事案等が発生した場合の対応について」(ガイドライン)が発表され、情報漏えい等が発生した場合には、今以上に神経を使った対応が求められることになります。

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